【読書】三体Ⅱ 著者:刘慈欣さん
第3シリーズまであって今回は2シリーズ目の上下巻。
第1シリーズから続き内容に引き込まれました。中国人の知り合いからは暗黒森林が一番面白との話も聞いてますが、翻訳されたら最終シリーズも読んでみたいと思います。
特に宇宙文明のふたつの公理と猜疑連鎖の考え方は興味深かったです。
猜疑連鎖は地球では見られない現象との話が出てましたが、お互いにコミュニケーションがうまく取れないときや、国家間での争いでコミュニケーションが断たれるのならありある話なのかなと。
国境がない世界だと国家間の問題は解消されるかもだが、文化や思想の対立などは、お互いが寄り添う姿勢がないと解決しないのかなぁとも思ったり。
【読書】30代から大きく伸びる人の勉強法 著者:堀紘一さん
ハーバードビジネススクールでの勉強方法や試験対策などの工夫を聞くと、どのようにしたら目標を達成できるのかを考え続けて行動したのだなと強く感じた。
また、勉強をするときに鉛筆は後で削れとの話は興味深く、何事もほかの関係ないことに気をとらわれず、まず始めることの大切さも気づかされた。
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大学に入るまでの勉強法は暗記力と計算力を伸ばしてきたものだが、社会人に入って必要とされるのは「どんな局面でも、最善の答えを自分で考えられる能力」。
戦時の勉強法:大学入試や資格などゴールが決まってるもの
‐>過去問をあさり、出題法則を見つけた
平時の勉強法:目的やゴールを自分で設定するもの
企業が不況の時に行う戦略
- リストラによるコストダウン
- 弱いものいじめ(i.e. シェアを買いにいき、下位の同業他社をつぶす。M&A)
社会状況を変えられないならできることは労働価値を上げ、会社が手放さない人材になること。できることは
- 新たな経歴を作る
- 能力を高める
- 人的ネットワークを構築する
2を高めれば1と3はついてくるものではないかと。
弱者にとって学ぶことは光を見出すこと。
実語教に、人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なりとあり。されば賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるとに由って出来るものなり
つまり、学ぶことは生き残るための努力だけでなく、自分が望む場所にまで自分を連れて行ってくれる魔法の杖だとのこと。
大中小の目標をまず立てる
大目標:30年、40年後の理想
中目標:大目標を実現するための目標を10年単位くらい
小目標:1年、2年で達成できる目標
堀さん自身は40代まではインプット(努力や学習)とアウトプット(地位や収入)が見合わなくてもよいと思っていて、49歳までは必死に努力すればいいと決めていたらしい。
大目標に限らず、人生のあらゆる目標は地位や年収で立てるべきではない。これは私の経験則からだけでなく、自分のスキルや教養、人間性などの能力向上を目標にしたほうが、結局は報われる確率が高いものだし、人の生き方としても理にかなっている。
これはほんとその通りです。直近の会社での評価がどうであろうとも持続して努力できる人は強い。
能力向上の最大のコツは、思い込まないこと、決めつけないことである。そう、柔軟性こそ成長の源泉なのである。
早稲田大学の坪井善明教授による人間の七つの能力
- 論理力
- 構成力
- 暗記力
- 直観力
- 計算力
- 想像力
- 自己実現力
20代30代での評価は暗記力と計算力のみで評価されていることが多く、学歴社会が評価しているのもこの2つの能力のみ。
学習効果を上げる9つのこと
- 自ら求める:受け身ではない学びの姿勢
- 鉛筆は後で削れ:まず始めることが大切
- 勉強の習慣化:習慣化すると、苦ではなくなる
- 自分にあった勉強のリズム:50分勉強して10分休憩など (テレビリズムは13分の放送とコマーシャル。講演をするときは13分に1回話の山場を作ることを意識してる)
- 五感をつかう:教科書を読みながらメモ、メモを声に出す
- 創る練習をする:5文の文章にも起承転結がある。ストーリー構成力を意識。お店を開く場合でもお客さんがどのようなストーリーを求めてくるのかなど考えることができる
- すぐに役立つものは効用が小さい:腰を据えて勉強しろとの心構え
- 観察力を磨く:物事をよく観察する、人の話をよく聞く、とあるがこれで磨けるのかな。。。
- 何がぷっつんしない:休むのはいいけど継続する。中国語の日記ぷっつんしてしまった。。。
素直さは学習能力の最重要な資質:誰からも学ぼうとする姿勢を持ち続けること
本の紹介
- 大空の侍 著者:坂井三郎 これは昨日買ったので読みます
- 愛するということ 著者:エーリッヒ・フロム
- 種の起源 著者:ダーウィン これも読まねば
- 失敗の本質 著者:戸部良一・野中郁二郎ほか
- 武士道 著者:新渡戸稲造
- 忘れられた日本人 著者:宮本常一
- 空気の研究 著者:山本七平
- ガリア戦記 著者:カエサル
- 氷川清話 著者:勝海舟
- 友情について 著者:キケロー
- ロミオとジュリエット 著者:シェイクスピア
- 罪と罰 著者:ドストエフスキー
【読書】自分を変える読書術 著者:堀紘一さん
読書の重要性を改めて教えてくれる本。
いくら仕事が忙しくてもデートがある日は何としてでも時間を作る努力をするように本当に大切にしているのであれば、本を読む時間を捻出するはずだと。
時間がないというのはただの言い訳で、重要性を本当に理解していないとの言葉はとても刺さりました。
人生を楽しく生きるには、
- お金持ちに生まれる
- 有名人の子に生まれる
- 読書で教養を身につけ、一流の人になる
最初の2つはコントロールできないが、最後の読書は自分の努力次第でできること。
学歴ではなく、学習歴で人を見るべきであると。
1流人になって得られる3つのこと
- 世のため、人のためになる行いをたくさんできる
- 尊敬される
- 交友関係が広がり、立派な友達が増える
1と3に関してはその通りで、2は個人的にはあまり刺さらない。人によってモチベーションは異なるだけかと。
1と関連してるかもしれないが追加して、「物事を多角的な視点から考えることができる」、「他人や仕組みに利用されなくなる」などもあるかなと。
野球監督だった野村克也さんを支えたのも読書
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
この言葉自体は松浦静山の剣術書「剣談」が出展
のちにコンサルの仕事の話もなるが絶対に成功するというコンサルは信用できないがこうすると失敗するということをアドバイスし、成功の確率を上げることができると。
ビジネスパーソンに勧める4つのジャンル
- 生物
- 歴史
- 軍事学
- 哲学
おすすめの6冊の本
- 「愛するということ」著者:エーリッヒ・フロム
- 「実在主義とは何か」著者:ジャン=ポール・サルトル
- 「種の起源」著者:チャールズ・ダーウィン
- 「大空の侍」著者:坂井三郎
- 「失敗の本質」著者:戸部良一・野中郁次郎 他
- 「武士道」著者:新渡戸稲造
種の起源は他でも勧められていたし、読んでみたいと思う。
【読書】「善さ」の構造 著者:村井実さん
「良い生き方」とは何かということは、生きていく上で常々問い続けるものだと思う。ただ、良いとは何かと決めたときに、それ以外は悪いのか?悪いと分類されるものを排除することになるのではないかと悶々とすることもある。
生き方以外にも、良い国、良い人、良い食べ物など人生の中には「良い(悪い)」の言葉があふれている。では良いとの言葉に対してこういうものではなかろうかとイメージできるが言語化したことはない。そういう話を兄にしたところ、教師をやっている彼が紹介してくれたので読むことにした。
本書を読んで、「思考法が違っていたら答が間違う」という言葉にはっとさせられたし、その通りだと思う。
ただ「善さ」を考える上で、どの視点からの善さなのかというのは付きまという問いだと思う。ある人、ある観点から見ると善いと考えられるが、別の人、観点からだと善くないと見れることがある。その事象に関しての善さは何なのだろうか。
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筆者は本の冒頭に近代思想の病理として「善さ」を「快さ」と取り違えているのではないかと書いている。日本もかつて「殖産興業・富国強兵」をスローガンとし、「快い」生活の増大を目指していた。ただ、「善く」生きたいと自分たちが願ったときに、「快く」生きたいと願ったのか?「快さ」の増大をを求めて学校に通い、働き、競いつつ生きる人生を願ったのか?と。
ソフィストが「善さ」は「快さ」だとの主張をプラトンは、疥癬にかかった病人を例えにだし、病人が掻くことに快さを保つように、人生も「快さ」を増大し続けることにのみ快さが保たれることになると批判している。
プラトンからベンタム(ベンサム)までの善さの定義を振り返り、その定義を導き出した思考法自体に誤りがあったのではないかと。
人間は何ごとにつけてもそれが何であるのかを問いながら生きていると言ってよい。問うことによって答を見つけ、その答に応じて自分の行動の舵をとって生きていくわけである。だが、この答というのは、問いにおける思考法次第で適切な答ともなり、不適切な答ともなる。 (p.89)
ここまで前提を覆すことは自分の中で考えたことがなかったです。今自分の中で答としているものもきっと一つの思考法に基づいた答を出しているだけで、その思考法が何であるのかを言葉にしたことはなかった。
実在主義的思考法:コトバがあれば必ずそれに対応する事物が実在するとの考え
->善さを問うときに採用されたのではないか e.g.善さのイデア、善さを神と規定
唯名主義的思考法:コトバは何かの実在を指してるのではなく記号
->諸現象を観察し、共通する特徴をできるだけ普遍的法則的に把握する
➡第三の思考法があるのではないかと
善さ
1.相互性:相互性の意識が先にあり、次いで個人の意識
2.無矛盾性:全体として矛盾がなく、論理的に統一されている
3.効用性:効用が最大であることを求める
4.美:上記3つの要素に対して同時に含まれるべきもの
上記4点を三角錐としてその中にあるものを善いとする
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政治家・実業家:効用性を特に重みづけ
学者・研究者:無矛盾性を特に重みづけ
宗教家・道徳的な人:相互性に重みづけ
芸術家・詩人:美に重みづけ
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ただ状況に応じて三角錐の内部で重みづけが変わる。
【読書】羊と鋼の森 著者:宮下奈都さん
https://g-mako.hateblo.jp/entry/2020/08/12/230925
宮下さんのトムラウシ生活の本を読んでから他の本も読んでみたいと思い読むことに。
映画化もされてるんですね。
主人公の外村が高校生の時にたまたま担任から、来客を体育館に案内してほしいと依頼された。その来客がピアノの調律師であり、調律の世界に引き込まれて調律師になる。
様々な先輩やお客さんである双子の姉妹を通じて外村の葛藤や成長する姿を見ることができた。
以下本文(p.はkindle版)
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「この仕事に、正しいかどうかという基準はありません。正しいという言葉には気をつけたほうがいい」 p.157
板鳥さんの言葉。職人と言われる世界は特に何が正しいかという基準が曖昧なのかもしれない。
「やわらかい音にしてほしいって言われたときも、疑わなきゃいけない。どのやわらかさを想像しているのか。必要なのはほんとうにやわらかさなのか。技術はもちろん大事だけど、まず意思の疎通だ。できるだけ具体的にどんな音がほしいのか、イメージをよく確かめたほうがいい」 p.403
柳さんの言葉。これは多くの職種にかかわること。意思の疎通はとても大事。機能追加をお願いされたとしても、何が本当に必要なのかを確認するプロセスを怠ると無駄な機能や本当に解決したいことを解決できなくなってしまう。
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、七つの音が―正確には半音も入るから12の音だが―抽出され、名前を付けられて、星座のように輝いている。それを膨大な音の海の中から正確に拾い上げ、美しく揃え、響かせるのが調律師の仕事だ。 p.2395
星座も鍵盤の数も88だという話が前後に出てくる。
また、無数の星々から星を抽出して星座を作ことと調律は似ていると。
美しい音を作る調律の仕事の奥深さを知りました。
【読書】神さまたちの遊ぶ庭 著者:宮下奈都
先週北海道に帰省した際に昔からお世話になっているおじさんとトムラウシで釣りをすることに。トムラウシの郵便局兼、お土産売り場でこちらの本が売っていて買うことに。
受付の人にこの本はトムラウシと関係があるのですか?と聞いたところ「山村留学に来ていた著者が書いた本なんですよ。私もなっちゃんという名前でちょっとだけ出てるんですよ。」とマスクをしていてもすごく笑顔で話しているのが分かったのがとても印象的でした。
実際に読んでみると、なっちゃんは結構な頻度で出てきましたね 笑
今度会う機会があれば、ちょっとじゃなかったですね。と伝えたいです。
私も幼稚園から小学校2年まで占冠に住んでいました。
小学校の2年生の時の同級生が3人でトムラウシの学校よりは人数が多いですが、トムラウシの生活を見ると少し似ている部分を感じ懐かしく思いました。大人になってからの生活は大変かもしれないですが、子どものころに田舎に住めたことはとてもありがたいことだと感じています。
https://www.youtube.com/watch?v=V-17bk9kLlM
この動画見てすごく優しい母のような雰囲気を感じました。
「羊と鋼の森」も買ったので今後読みたいと思います。
余談ですが、旦那さんも読書化で素晴らしいと思いました。子どもに本をプレゼントする親はすてきだと思います。
以下本文メモ
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帰り道、風景が変わっている。今まで道端の緑としか認識していなかった塊が急に自己主張を始める。ヤマブドウだよ!イタドリだよ!こういうことって、ときどきある。たとえばオーボエの音色を知ったら、これまで聞いてきた交響曲から不意にオーボエの旋律が際立って聞こえて、その曲が新たな顔を持ちはじめるようなこと。知らなかった言葉の意味に触れたら、文章の深さがこれまでとは違って響くようなこと。
人は聞きたいことを聞き、見たいものを見る。意識を変えたり、知識を増やすことで世界の見え方も変わってくるんだなぁと。
【読書】生命保険のカラクリ 著者:岩瀬大輔さん
こちらもMr.PDCAが紹介されていた本(だいぶ影響されてますね笑)
https://pdcadiary.hateblo.jp/entry/2020/07/22/025802
生命保険に関しての知識が全然なく、初めて読んだ生保に関しても本。仕組みについての理解が深まりとても勉強になりました。今後家族ができた場合には、子どもが大学を卒業するまでの期間、生保を掛け捨てで入ってもいいと思った。医療保険に関しては高額療養費制度などの公的保証が日本では整っているのでそこまで必要ないことを学んだ。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/100714a.pdf
(厚労省の高額療養費制度についての説明)
ライフネット生命は最近CMでよく見るのだが、高コストの対面販売を少なくし、保険料削減を図ることや付加保険料を開示したことを知ると好感が持てる。
以下、メモ
特にガンについて具体的に金額を出し例を挙げてるのは分かりやすかった。
- 日本の生保は営業職員が人海戦術で売り歩くため高コスト ->このビジネスモデルを支えるために高収益の商品を販売
- バブル崩壊で逆ざやが起きた->転換セールスが行われ問題になったり、新規加入者がその分の負債を負担する仕組みにもなる https://www.dai-ichi-life.co.jp/support/glossary/term0028.html
- がんで入院して治療に300万かかっても高額医療費制度のおかげで負担額は月10万程度
- 保険会社の収入源:死差益(発生確率より支払いが少いことによる利益)、利差益(運用による利益)、費差益(事業費の削減による利益)