まなびのまとめ

読んだ本、考えたことのアウトプットの場として

【読書】羊と鋼の森 著者:宮下奈都さん

 

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)

 

 https://g-mako.hateblo.jp/entry/2020/08/12/230925

宮下さんのトムラウシ生活の本を読んでから他の本も読んでみたいと思い読むことに。

映画化もされてるんですね。

 

主人公の外村が高校生の時にたまたま担任から、来客を体育館に案内してほしいと依頼された。その来客がピアノの調律師であり、調律の世界に引き込まれて調律師になる。

様々な先輩やお客さんである双子の姉妹を通じて外村の葛藤や成長する姿を見ることができた。

 

以下本文(p.はkindle版)

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「この仕事に、正しいかどうかという基準はありません。正しいという言葉には気をつけたほうがいい」 p.157

板鳥さんの言葉。職人と言われる世界は特に何が正しいかという基準が曖昧なのかもしれない。

 

「やわらかい音にしてほしいって言われたときも、疑わなきゃいけない。どのやわらかさを想像しているのか。必要なのはほんとうにやわらかさなのか。技術はもちろん大事だけど、まず意思の疎通だ。できるだけ具体的にどんな音がほしいのか、イメージをよく確かめたほうがいい」 p.403

柳さんの言葉。これは多くの職種にかかわること。意思の疎通はとても大事。機能追加をお願いされたとしても、何が本当に必要なのかを確認するプロセスを怠ると無駄な機能や本当に解決したいことを解決できなくなってしまう。

 

ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、七つの音が―正確には半音も入るから12の音だが―抽出され、名前を付けられて、星座のように輝いている。それを膨大な音の海の中から正確に拾い上げ、美しく揃え、響かせるのが調律師の仕事だ。 p.2395

星座も鍵盤の数も88だという話が前後に出てくる。

また、無数の星々から星を抽出して星座を作ことと調律は似ていると。

美しい音を作る調律の仕事の奥深さを知りました。