【読書】センスは知識からはじまる 著者:水野学さん
グッドデザインカンパニー代表の水野さんが書いた本。
くまモンも手掛けてる。
「センスがいい人」とは生まれ持った天性のように思われることが多いが
センスとは知識の集積である。これが僕の考えです。
とあるように、これがこの本のエッセンスである。本のタイトルもそうなってますね。
本を読んで行動に移したいなと思ったことは、いつも気にしないようなことに目を向けてみることです。小さいころは、車でどこか移動することが大冒険と感じことが、大人になると飛行機に乗って移動することにも驚かなくなる。Wonderfulの意味がFull of Wonder(不思議なことがたくさんある)とどこかで知ったが、大人になった今も周りに起きている不思議な事、ささいな変化を好奇心を持って感じ取りたい。
本書での一番心に残る言葉は
僕にとって旅の定義は、日常から逃れること。つまり非日常であること。
本書でも、「自分と違う職業の人と話すこと」と例を挙げていたが、私も新しい人と会う(本を読むことも)ことは旅をすることと同義だと思っていた。うまく自分でかみ砕けていなかったけれど、著者が言っている「非日常である」ということに通じているのではないかと。新しい人と話すことや、これまで交流があった人からでも新たな観点をもらうときは、今まで行ったことがない旅先に行くような発見がある。この気持ちを人生ずっと持ち続けたいと再確認した。
以下抜粋
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売れるための的確なシズルを見つけ出すためには、その製品が「何っぽい」のかを分類しながら絞り込んでいく作業が有効
本書の後半でもシズルについての説明があったが、シズルとはSizzleという「肉がジュージュー焼けるさま」を表す、広告業界ではおいしそうに見せる演出のことらしい。
・熊本のクマなら、ヒグマみたいに「和っぽい」のか、テディベアみたいに「洋っぽい」のか
・和っぽい熊であるなら、「何色っぽい」のか?くまモンにしてもこのように形にしていった
斬新なアウトプットをするには、いまだかつて誰も考えなかったとんでもないことを、センスをもってひらめかなければいけない―これが頑固な大前提になっているようだと痛感した
尖っている企画と売れる企画は、必ずしもイコールじゃない
「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。
まず「普通を知ること」が必要である
たくさんの道具を持っているから何でもできるのではなく、「あれもできて、これもできるから、その真ん中がわかる」という状態になるのではないかと考えている。
中道を知るには両極端の意見を知ることが大事なのかな?
普通を知るということは、ありとあらゆるものをつくりだせる可能性がたくさんあるということです。
歴史が、「知識を学んだ上で、今の時代で自分が何をしたらいいかという礎をつくる授業」であるなら、美術とは「知識を学んだ上で、自分が何かをつくったり、生み出したり、表現したりする礎をつくる授業」であるべきです
技術がピークを迎えるとセンスの時代がやってくる
一理あるが、次の技術革新が来るまでの間の話ではないのかなとも思う。もちろん技術革新が行われる中でも著者がいう、センスがないがしろにされるわけではない。
アーツ・アンド・クラフツ運動
大量生産品ではなく、手仕事で物を作ろうという運動(18世紀のイギリス)
食品でも化粧品でも、新しい商品をつくろうというとき、圧倒的多数の日本企業はまず、市場調査を始めます。僕は、これが大問題だと思っています。日本企業を弱体化させたのは、市場調査を中心としたマーケティング依存ではないでしょうか
PDCAを短いサイクルで回し、何が悪いかを検証することの大事さにも通ずるのかな??
開発者ではないのですから、今あるものと比べて何かを言うことしかできなくて当然です。
市場調査に参加する人たちについて
彼は市場調査を重要視せず、自分の本当に欲しいもの、「みんなも本当は欲しいだろう」と自分が思うものを生み出す努力を続けてきました。
スティーブ・ジョブズについて
市場調査が危険な理由
- 何がいい、何が悪いと自分の頭で考えなくなる
- 調査結果できめたとなると、責任の所在が曖昧になる
商品というアプトプットは「もの」であり、視覚に左右されます。
職場においても同様です。会議資料をまとめる作業や企画書の作成は、多くのビジネスパーソンが日々直面するシーンです。しかし、読みづらい書類ばかりを提出する人が、仕事がデキるように見えるでしょうか。
どんなにいい仕事をしていても、どんなに便利なものを生み出していたとしても、見え方のコントロールができていなければ、その商品はまったく人の心に響きません。
会社でも上司が言っていたことと同じ。その上司は確かにセンスがあると感じて尊敬もしてる。
センスを磨くには、あらゆることに気がつく几帳面さ、人が見ていないところに気がつける観察力が必要です。よいセンスを身につけることも、維持することも、向上することも、研鑽が必要です。
本当に簡単なことを、「これが重要だ」と認識し、日々実践していくこと。その繰り返しを続けることが難しい。
毎日努力を続けている人は本当に尊敬です。
手始めに、「誰でも見たことのあるもの」という知識を蓄えることが大切
過去に存在していたあらゆるものを知識として蓄えておくことが、新たに売れる物を生み出すには必要不可欠
世の中にすでにあるAというものと、自分が見たことのあるBをくっつけて、Cというものを生み出す。これを高い打率でできれば優秀なクリエイターになれるはずです。どんな人であっても、ゼロからいきなりCがひらめくことは非常に稀
マーク・トウェインの「人間とは何か」という本にも有名な作家が無人島でずっと生まれ育ったら誰もが感銘する文章を書けるはずがないみたいな話があったと思い出した。
みんなが「へぇー」と思うものは、ある程度知っているものの延長線上にありながら、画期的に異なっているもの。「ありそうでなかったもの」です。
ものを作る人間は、新しさを追い求めながら、過去へのリスペクトを忘れないことが大切なのではないでしょうか。
アウトプットそのものは時代の半歩先であるべきです。しかし、半歩先のアウトプットを作り出すためには、一歩先、二歩先を読むセンスがなければならないのです
知識にもとづいて予測することが、センスだと考えている
単純に言えば「風通しが悪くてカビが生える環境に都をつくったら、疫病が流行する。病人や支社が多い都は栄えない」というのは合理的かつもっともな話
風水についての話。
センスの最大の敵は思い込みであり、主観性です。思い込みと主観による情報をいくら集めても、センスはよくならない
センスに自信がない人は、自分が、実はいかに情報を集めていないか、自分が持っている客観情報がいかに少ないかを、まず自覚しましょう
確かに服のセンスとか自分ではあまり気にしたことがないな。。。
知識を増やすアプローチ
- 王道から解いていく
- 今、流行しているものを知る
- 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる
「王道のもの」とは、製品によっては、「定番のもの」「一番いいものとされているもの」「ロングセラーになっているもの」と言い換えることができるかもしれません
数多の情報の中から自分なりに納得のいく「王道」を探し出す過程で、あなたは実はもうひとつ、別の作業も行っています。それは、センスアップに不可欠な「知識」の獲得
プログラミング言語の王道とか、興味があるものの王道とかを考えるといろいろ知識が深まるのかもしれない。
流行を知る手立てとして最も効率がいいのは、雑誌。それもできれば、コンビニの棚に並ぶありとあらゆる雑誌を手にとってみることをおすすめします。
雑誌はほとんど見ないです。すいません。
これは知識を集めるというより、分析したり解釈したりすることで、自分なりの知識に精製するというプロセスです。
3つ目のアプローチ:共通項や一定のルールについて。
デザインを構成する要素はざっくり考えた場合、「①色」「②文字」「③写真や絵」「④形状」に分けられます。
「この書体はいつの時代のどういう書体ですか?」
書体が作られる背景を知ることも大切
一つひとつの文字の間の余白が均一に見えるように微調整する「文字詰め」という作業を丁寧にやると、ぐんと読みやすい美しいレイアウトになること
たしか会社のデザインチームもこれをやってた。
「感覚的に、これがいいと思うんです」は禁句
人の感覚は、とても繊細で敏感なものです。具手体的にどこがどう違うかは言えなくても、その製品が他とはなにか違っていること、理由はわからないけれでもかっこいいこと、高い精度で丁寧につくられたものであることは、鋭く感じ取ります。
「神は細部に宿る」
もしもあなたがデザインを生業とするならば、自分が何を根拠にそのデザインを決定しているかを「感覚」という言葉に逃げずに説明しなくてはなりません
僕は自分の感覚というものを基本的に信用していないので、「この感覚はどこからやってきているんだろう?」という確認作業をすることにしています
現代社会において、センスとはマナーです。
相手の専門性に合わせて自分をチューニングし、話を深く聞き取りましょう。このような専門性はすべて、キャリアアップにつながっていく要素でもあります。
コミュニケーションの大切は話すことも大切だが聞くことが大切という話について
企画書をつくる際には、あらためて相手の目線で考えてみるといいでしょう。企画書は内容も大切ですが、見せ方も大切です。見せ方を考えるとは、センスのいい企画書をつくるということ
上司が口酸っぱくいってること。伝わらないと意味はない。
上司のプレゼンもセンスあると感じます。
「誰が、どんなときに、どんな場所で使うのか」、対象物を具体的に思い浮かべることは、センスを最適化するためにもっともひつような三原則であると覚えておきましょう
ペルソナ。IT開発の時も必要だしやってること。この視点大事。
僕は本屋さんにいるのがとても好きです。「ここにある本の数の分だけ人の考え方がある」と思うと、わくわくします。
素敵な考え方だと思います。
三歳までは、見たこともない世界が人間のキャパシティを超えるほど大量に目の前に現れるのではないか、「驚きのレベル」というものがあったとして、その針が振り切れるほど毎日が驚きだれけなので、記憶が飛んでしまったのではないか。そんなふうに思っているのです。
3歳までの記憶をほとんどの人がなくしてしまっていることについて。
今も驚くことはいっぱいあるはず。PCの仕組み、電話、電車、電気・ガス・水道、建物の構造、車、飛行機、船、言語の成り立ち、数、科学・化学、生物、ざっと挙げただけでも不思議なことはたくさんあるはず。宇宙の成り立ちや、人が生まれた過程などもそうなのかもしれない。不思議なことは周りにたくさんあるはずなのに、「そうなってるから」という理由で片付けられ、考えなくなっていくのかもしれない。そうはなりなくないし、そうならないように不思議と思うようなことをたくさん見つけたい。
本書のエピローグとして、こんなスローガンを掲げたいと思います。自分という存在がいかに小さな島の中で、閉じこもった生活をしてるか。それを認識することから、世界は広がっていくはずです。
N先輩は好奇心旺盛だし、世界を広げているのだなぁと感じます。