まなびのまとめ

読んだ本、考えたことのアウトプットの場として

【読書】ディズニーCEOが実践する10の原則 著者:ロバート・アイガー

 

 

2020年2月25日、アイガー氏がウォルト・ディズニー・カンパニーのCEOを退いた。CEO職は15年勤め、ディズニーの時価総額は約5倍になったという。

そのアイガー氏がテレビ局で働き始めてから、ディズニーでCEOになり、CEO時代での様々な激闘を書き綴っている。

本を読み終えて、アイガー氏の誠実さ、役職や立場ではなく自然体であろうとしているところ、正しいと思うことを貫き通すことが残っている。

特に印象深かったのは本書の最初に紹介されていた上海ディズニー開園のために上海に滞在していた時のエピソードだ。不運にもフロリダのディスニーで子どもがワニに襲われる事件が起きた。会社の対応としては広報担当者が声明を出すことが多いが、アイガー氏はその行為は卑怯で冷たく感じることから、自分で声明を出すことを決めた。さらに、会社としての対応を嫌い、被害にあった親に直接電話をかけ寄り添った。

個人のこととなるが、数か月前に中国に戻りたいとの話を会社の上司に相談した。

(もともと上海に駐在しておりコロナの影響で日本に一時帰国中です。)

その時の上司は、会社としての意見と個人としての意見を両方教えてくれた。会社や組織などにいると、その枠組みの中の意見を自分の意見だと思い込んでしまったり、そもそも考えていなかったりすることもあるのかもしれないが、どの場所にいても、自らの意見を持つことが大切だなとふと感じる。

 

以下本書抜粋

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たとえ自分が「最終的な責任者」でも、その場で自分にできることがない時には、手を出さない場合もある。仲間が正しく対処してくれると信じ。自分は目の前のやるべきことに集中したほうがいい。

私の経験には普遍的な教訓があると感じている。たとえば、リスクを恐れず、創造性を育むこと。信頼の文化を築くこと。好奇心を燃やし続け、周囲の人に感動を与えること。変化を否定せず、喜んで受け入れること。経営については、何よりも、誠実に正直に取り組むこと。向き合いたくないことにも、正面から向き合うこと。 

10の原則

  1. 前向きであること
  2. 勇気を持つこと
  3. 集中すること (コメント:戦略の話と似てる)
  4. 決断すること
  5. 好奇心を持つこと
  6. 公平であること
  7. 思慮深いこと > 思慮深さとは、知識を身につけるプロセス。思慮深さは時間をかけ、情報を集めたうえで意見を形成したり判断を下すこと
  8. 自然体であること > 敬意と信頼は、嘘のないリーダーによって育まれる。
  9. 常に最高を追求すること
  10. 誠実であること > 小さなことをないがしろにするとすべてがダメになる

父は何が正しくて何が公正化を鋭くかぎつけ、いつも弱者の味方をしていた。だが一方で、気分の揺れを抑えることができず、余計なことを口にして問題を起こしていた。 

今でも私はほぼ毎日、4時15分に起きる。ただし、今は自分のためだ。早起きをして、忙しい時間の前に、考えたり読んだり運動したり時間を過ごす。

 これは自由な発想で物事を別の角度から見る時間を毎日持つため。日中は仕事に時間がとられるため意識的に創造性を保つための努力をしている。

ルーンは「まあまあの出来」を絶対に受け入れず、締め切りが目前に迫っていても最高のものを作るためには決して妥協しなかった 

彼(ルーン)が残してくれた教訓は、イノベーションを起こさなければ死ぬということだ

ルーンは細かいことにこれでもかとこだわった。小さなことがすべてきちんとできてはじめて、完璧な番組になる

ルーンの口癖は単純だった。「もっといいものを作るために必要なことをしろ」。ルーンから学んだ数多くの教訓の中でも、何よりも今の私を作ってくれたのはこの言葉だ。

とても厳しいけど大事なこと。。。

自分の仕事に大きな誇りを持ち、完璧を求める本能とその本能を実現するための勤勉さの両方を合わせ持つとどうなるかを体現した存在が次郎だった

 「しきばやし次郎」を経営する小野二郎さんの話。日本人の話が出ておっ!となった。

部下にいい仕事をさせるためにはプレッシャーをかけつつ、失敗への恐れを植え付けないようにバランスを取るには、絶妙なさじ加減が必要になる。

ひよっこだった私にとってこの話の教訓はただ一つ。それは、自分が大失敗したら責任を取らなければならないということだ。仕事でも、私生活でも、自分の失敗を正直に認めれば、周囲の人から信頼され、尊敬されるようになる。失敗しない人などいない。だが、失敗を認め、失敗から学び、たまには間違ってもいいのだと行動で示すことならだれにでもできる。むしろ、やってはいけないのは、嘘をついたり、自分のせいでないふりをして、誰かに罪をなすりつけることだ。

 個々人のプライドの問題もあるのかもしれないが、失敗を認める文化が会社にあることが必要。でなければ不正をしたり、罪をなすりつける人が多くなる。

リーダーが周囲の意見に耳を傾け、気分のムラなく公平にみんなに接し、善意のミスなら挽回のチャンスを与えられると周知させる

 若きウェルテルの悩みでも「不機嫌というやつは怠惰と全く同じものだ。つまり1種の怠惰なんですから。ぼくたちはそもそもそれにかたむきやすいんだけれど、もしいったん自分を振い起す力を持ちさえすれば、仕事は実に楽々とはかどるし、活動しているほうが本当にたんしくなってくるものです」と手ものに本があったので書き残しとく。

自分が誰よりも汗水垂らせる人間だということが私にとっては一番大切だったので、ルーンのきまぐれよりも、自分の仕事に集中していた。

 やっぱ努力家ですね。。。

卓越した仕事をすることと、人を気遣うことは両立しないわけではない

そして何よりも、彼は自分が何を知らないかを知っていた。

デニスさんという上司に対してのコメント。知らないことを知っているということは強い。

本物の誠実さ、つまり自分が何者かを知り、はっきりとして善悪の判断をもとに行動できることは、ある種の秘密兵器だ。

昔からずっと、どんな仕事のチャンスも頼まれたら拒まないというのが私の信条だ

好奇心と馴染みのないことをやり遂げれる力があると自分に証明したかったと。

「人生は冒険よ」妻は言った。「冒険しなくちゃ、生きていることにならないわ」

まさに人生は冒険。新しいことに挑戦してこと活力が湧く。

まずは、自分を偽らないことだ。謙虚に、誰かのふりをせず、自分が何を知らないかを知ることから始めなければならない。とはいえ、リーダーの立場にいる限りは、ヘリ下りすぎて周囲の人を導けないようではいけない。謙虚さと卑屈さは全く違うし、その点はいつも諭していることだ。必要なことはきちんと聞き、理解できないことははっきりと認め、学ぶ必要のあることはしっかりと努力してできるだけ早く学ぶこと。知ったかぶりは自信のなさを周囲に撒き散らしているようなものだ。本物のリーダーシップとは、自分が何者かを知り、誰かのふりをしないことなのだ。

やるべきことをきちんとやっていなければ周囲はすぐに気づいて、その人への敬意は消え失せる。出たくない会議に出なければならないことも多い。リーダーもまた学び、吸収することが必要だ。ほかの人の問題にも耳を傾け、解決策を見つける手助けをしなければならない。

オービッツさんに対してのコメント

優れたリーダーシップとは、代わりのいない存在になることではない。誰かを助けて自分の代わりに準備をさせてあげることだ。

きっと保身のリーダーはこういうことはできない。下を育てるのが怖いと思う。

前向きと明るさは、組織の働きを変える。苦境にある時は特に、部下がリーダーを信頼し、自己防衛と生き残りのために動くのではなく、本当に大切なことに集中しなければならない。前向きな態度とは、うまくいっていないのにうまくいっていると取り繕うということではななく、「何とかなるさ」という勝手な自信を伝えることでもない。それは、自分と周囲の人が最高の結果に向かって突き進むことができると信じることであり、物事が思い通りにいかなければすべてを失ってしまうといった思い込みを周囲に振りまかないことだ。

ほんのいくつかのことに多くの時間と資本を注ぎこむからこそ、優先課題と言えるのだ。数が多すぎると重要性が損なわれるし、すべての項目をだれも覚えていられなくなる

CEOになる準備をするときにスコットさんから言われたこと。優先課題を3つまでにしろとのこと。

企業文化は多くの要素から作られる。中でも、はっきりとしたビジョンは最も重要な要素の一つだ。リーダーは、何が一番大切なのかを誰にでもわかるように何度も伝えなければならない

ロードマップは単純でいい。「自分たちが行きたい場所はここだ。そこにたどり着くにはこうすればいい」

勤めてる会社では最近こういうのが少ないと感じる今日このごろ。

 

ディズニーの3つの指針

  1. 良質なオリジナルコンテンツを創り出すことに時間とお金のほとんどを費やさなければならない。
  2. テクノロジーを最大限に活用しなければならない。
  3. 新のグローバル企業になれなければならない。

社員が称賛しない会社は、世間からも称賛されません。ここで働く人たちの称賛を得るには、彼らが誇りに思うプロダクトをつくことに、私たちの未来があると信じてもらわなければなりません。とても単純なことなのです。

意思決定が中央に集中することで事業部リーダーたちの士気が下がってしまうことです。

私にコントロールできるのは、自分の行動と態度だけだ。それ以外のことは私にはどうしようもない。もちろん、その視点をたまに失ってしまうこともあったけど、そう考えることである程度不安を遠ざけることができた。

自分の中に言葉をもっておくことが大切。自分を鼓舞できる言葉を多く持っている人は強い。

ほんの少しの敬意を払うだけで、信じられないようないいことが起きる。逆に敬意を欠くと大きな損をする。(中略)

「敬意を払う」という、一見些細でつまれないことが、どんなデータ分析にも負けず劣らず大切な決め手になった。敬意と共感を持って人に働きかけ、人を巻き込めば、不可能に思えることも現実になるのだ。

大型買収に関して。

異文化に触れる時も同じだと思う。国や対する相手に敬意を持ってこそ信頼が生まれる。

100パーセント確実な案件がないことも、心に留めておく必要がある。どれほどたくさんのデータがあってもまだ、どんな案件にもリスクはあるし、そのリスクを取るかどうかの判断は個人の直感に任される。

買収の目的、信頼できる人たちの意見、綿密な調査と分析が教えてくれること、そして分析が教えてくれない”こと”を認識しなければならない

「大切なのは、批判するものではない。強者がつまづくとそれ見たかと揶揄する人間でもない。行動する人の上げ足を取る物でもない。実際に舞台に立ち、顔がちとアセト埃にまみれた人間こそ、称賛に値する」

ピクサー買収の説明を取締役員決議をする前にセオドア・ルーズベルと「舞台に立つ男」のスピーチで自分に鼓舞したとのこと。

「大株主の君にお願いしたいんだが」と言うと、彼はいつもこう返した。「そんな風に見ないでくれよ。失礼だぞ僕は君の友達なんだから」

ジョブズの言葉。立場や肩書などは気にしない。

誰かを解雇したり、権限を取り上げたりすることは、上司としておそらくもっとも難しい決断だ。(中略)

自分の中で決めているルールがある。直接言い渡すこと(中略)

相手の目を見ること。誰かのせいにしないこと。決断を下すのは自分だ。ただし、その人の人間性ではなく、仕事の成果を評価すること。

こんな経験はまだないな。。。

何年も前にトム・マーフィーが言ったことが、私の頭の中にこだました。「もし何かが『違う』と思ったら、おそらくそれは君にとっては正しいみちではないんだよ」

ツイッター社を買収することに悩んでいるときのこと。

このような状況では、目先の商業的な損失にとらわれず、この会社の人とプロダクトの品質と誠実さを何よりも大切にするという、シンプルな原則に従うべきなのだ。

ロザンヌさんのツイッターの内容が問題になった時のこと

ある意味では、ここまできたことがいまだに自分でも信じられない。一方で、不思議なことだが人生の物語が落ち着くところにぴったりと落ち着いたとも感じる。一日が次の一日につながり、ひとつの仕事が次の仕事につながり、ひとつの人生の選択が次の人生の選択につながる。その筋書きは一貫していて、完全にまとまっている。

キャリアは点と点と線につなげるものだとの話を大学生の時に聞いたことがあるがそれと似ている。未来から見ると今やっていることもきっと何かの役に立っていると感じるようになりたいし、そういう人生を歩みたい。

どんな大人になっても、何を成し遂げても、その昔、物事が単純だったころと同じ子供の自分がまだそこにいる。ある意味で、リーダーシップの基本もそこにあると私は思う。世界中から、権力者だ重要人物だと祭り上げられたとしても、本当の自分を見牛わないことが、リーダーの本質だ。

常に自分自身であること。